『exist's』〜霧子の朝に/
洗貝新
ツランの花が
今年は抜け落ちた白髪のようにやつれている
母が亡くなってから三年目の年だった
月灯りの中で浮かび上がる白い衣装
水気を帯びた草息の気配に虫たちの饗宴
暗闇は白い影を映し出して
墨汁に紆余曲折とゆらぐ意識
塞がれた用水路を見渡し
戻りつ迷走する稚児のわたしがいる
遠きより近きなりし路の途中
そろり
雲むれに
ざわ ばべり
ある な ??で まつみ
折 ど う み 帰路
に ふれ
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