ウロボロス研究所のとある1日/足立らどみ
ウロボロス研究所のとある1日
うらボスの吐き出すけむり輪っか中
メビウスの夢 は る か むかし
ウロボロス研究所の一室で引っ越しの整理整頓も終わった午後
外をみてたそがれていた先生への「引越祝い」には短冊もなくて
かわりに匿名の下手な短歌をつけてみなからの「贈り物」ですと
子供のときから時間は流れていると教わってきたけど
激流の中で生活していると体感的意味も曖昧のまま
最後の最後で気がつくこともあるのではないのですかと
先生の残してくれたものは大きすぎて
文化のレンガのひとつになっているのに
無量の感動の表現もなくて普段通りですと
人生で感動の涙を流したことがないとは
「先生の口癖」だったのになんの感情もなく
頬をつたっているのは神からのギフトかと
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