新生/秋葉竹
新しい人生をはじめるにあたって
できるだけ人を憎まないように
との不可能かもしれない夢を
みつづけられる気持ちを持とうと想う
大事なときの反応速度が遅くても
ぶざまな悪運に見舞われても
じぶんの大切なものを守るために
収まらない失楽園に堕ちたとしても
罪を穿つ眼差しで心を見透かされたときも
じぶんの価値にさみしい想いをしたときも
新しい人生はいつだって新しく
はじめられるのだと信じていいのだと
冒険らしい冒険もしないまま終わる人生も
人とともに生きる喜びも悲しみも知って
歌だけ歌って生きて来た過去は消えないから
新しい人生をはじめることに決めたのだ
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