メモ(日記)/はるな
 

あー、ねえ、いくつもの川を渡った。昼間にも、夜中にも、明けがたにも。きみの50歩が、僕の42歩。少しずつ齧るようにして日々。こんなのはもうさんざん使いまわされて流行おくれだってわかってても跳びあがる。大事な言葉があったから生きてこれた。

人のやりかたを妬まない。なにひとつ盗めない。涙が出たら植物にも水を遣って、どんなに眠たくてもむすめに朝日を振りかける。お湯を沸かして。ビルやコンクリートについて書いて。上澄みを掬って、それはぜんぶ捨ててしまう。必要のないときには、目を閉じる。感想を伝えなきゃならないけど、なかなか言葉にできない。仕入れてきた花に水を吸わせて、すみやかに生けていく。
花た
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