MELTense/あらい
 
やわらかな拍布が身体を包みこむ
賞味期限は 胎児の記憶と似ている

未読メッセージの夜は
すべると太っただけ
するするとすこし 
きらいなスロープが、
こぼれる。

マスク越しの吐息 しっかり錆びて
ふれあった空気はひんやりと重く
とても あかるい ものでした

まず、手をひらく
そしてぬるさを数える
次に、段をふまえて
角をまがらずにすすむ
それから、と言いながら
とがった湿度のなかをくぐる
やぶかずに、ほどく。
ゆかの裏側に貼られていた帯だ
そこに窓はなかった

きょうは、どこまで。
問えば 交差し 絡まり
「苹果」はまだ、始まらない軌道

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