ロンドンの記憶/番田 
 
誰もいない
外は虫の声だけがする
そして 吹く
風だけがあった
そして 窓で
思った ロンドンを
日本と変わらない
風景の街並み
違ったのは物価だけ
僕は 今も
何をしたのか
思い出せなかったけれど
目を閉じた部屋の
記憶にあるのは
食べたものではなく
買ったものではなく
あの日 橋に
僕の立っていた 
曇った空の下で

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