I FEEL FOR YOU。/田中宏輔
 
思われる。


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BGMは、ビリー・ジョエルの「イタリアン・レストランにて」。ノブユキとの思い出の曲だ。つまらないことでも笑っていた。べつに、なにがあったってわけでもないのに、いっしょにいるだけで楽しかった。そのつまらないことの輝きを、そのつまらないことの輝きの意味をいま


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のぼくは、とても大切な思い出として見ている。たぶん、どのひとの人生も、そんな輝きでいっぱいだ。そんな輝きの意味でいっぱいだ。英詩翻訳で、それがとてもよくわかる。他者の経験と思索を通して、つまらないことの輝きの意味が。つまらないことの意味の輝きが。


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