LIVING IN THE MATERIAL WORLD。/田中宏輔
 
。時間がきて、書くのをやめるように言われるまで、えんえんとその繰り返しを書いていたのであった。これが、ぼくの覚えている、はじめての作文で、いま思い起こしても、同じようなものを書いているのだなと思う。この話も、以前に書いたことがある


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だろうか。はじめてかもしれない。ぼくが記憶しているぼくの作文は、これ一つだけで、ぼくの人生さいしょの作文が、自分でもあまりにも印象的で、いままで書いた自分の作品の中で、最高傑作ではないかと、ひそかに思っているのであった。もちろん、そんなことはないとも思うのだが。


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ものごとは、順番通りに起こるとは限らない。結果がさき
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