LIVING IN THE MATERIAL WORLD。/田中宏輔
 
リスの姿もなかった。わたしは、自分の右腕にかぶりついて、自分のやけた肉を食べた。肉は、なかなか噛み切れなかったけれど、思い切り力を入れて噛みとって、口に入れた。腕からしたたり落ちる肉汁をなめとり、新しい部分にかぶりついた。わたしの遺伝子をつかった、わたしに


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そっくりの食用人間を食べてみたのだが、記述が混乱したようだ。しばしば、わたしの記述は混乱しているようだ。庭を片付けると、食用人間たちのいる部屋に行った。たくさんのわたしが、テーブルについていた。自分の遺伝子を持つ食用人間と同居している人間は、このごろでは、そう


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珍しいことではなくなっ
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