おれの徒然〈34〉「敗戦記念日」篇/中田満帆
 
いられるのである。おれは叶うならば佳子さまと濃厚なロイヤル・ファックがしたいところだが、それは邦の妹と交わることといっていい。でも、こんな一見過激な態度を以てしても神なる父はビクともしないだろう。われわれが交わすことのできる辞はたった三十一文字の短歌という名の批評でしかないからだ。

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 荒川「な、後藤さん。警察官として自衛官として、俺たちが守ろうとしているものってのはいったい何なんだろうな。前の戦争から半世紀、俺もあんたも生まれてこの方戦争なんてものは経験せずに生きてきた。……平和、俺たちが守るべき平和。だがこの国の、この街の平和とはいったい何だ? かつての総力戦とその敗
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