福寿草/杉原詠二(黒髪)
らは
筋になって消えていく雲よ
わたしの願いをのせて
どこどこまでも
いついつまでも
同じ話は何度も起こらない
手を差し伸べたとき
ラビリンス
愛を探す迷い人同士が
巡り会うなら
孤独が終わる
星が新たに誕生して
宇宙の歴史が大きく書き換わる
まるではかったかのように
ちょうど宇宙を満たす物質の重みすべてが光に変わるほどの
エネルギーが生じて
福寿草の萌える春
スプリング・エフェメラル
すべては想像と努力の産物
宇宙原理は想像と努力を繰り返してきた
生命がそれをできるようになってから
何十億年も過ぎた
永遠を忘れかけていた宇宙も
またそのイマジネーションを
初めの一点からやり直す気になった
セカンド・ビッグバンの
永遠の爆発が
今起ころうとしている
オニキスの眼だけがその未来を見ている
とても優しい爆発
何ひとつ壊さないで広がっていく
愛の光が宇宙を満たす
宇宙は抜け殻を捨てて
脱皮して新しくなる
わたしたちは脱皮して大人にならなければ
愛する人に会うことが出来なかったんだよ
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