詩人と真実/杉原詠二(黒髪)
愛する者を
迎えに行かなければ
きっとずっとわたしを待ってた
穏やかな微笑みの中で
わたしたちは最後の再会を果たすのだ
もう生まれ変わることはない
すべての無明を終えよう
地球という牢獄の中で
終わりない夢を見ていた
牢獄の外に出ていけない我々は
久遠の永きにわたる囚人だったのだ
六道輪廻を繰り返し
苦しみの業を負い続ける者だったのだ
ふたりいっしょに
夢をうつつに
わたしたちには体がある
この地上が応身の極楽であり
終焉の地には
わたしたちのために蓮の花が咲くだろう
わたしたちはいま愛に目覚める
すべての苦しみを度したまいしあなたの
深い愛が
わたしを包んでくれる
もう独善に縛られることはない
無明は消え
そして夜が明ける
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