独善の闇の中をかぐわしき花が誘い星々が照らす/杉原詠二(黒髪)
 
独善ほど人の心を傷つける罪はないでしょう。権威を持った独善が、歴史的にどんなに悲惨を引き起こしてきたでしょう。独裁体制やカルト集団。つまり、他者の言葉を理解しようとせず、自分の正しさを絶対視し、検証を怠る態度――これこそが独善です。世界中の宗教で、独善は最も重い罪とされます。仏教での無明(無知)、キリスト教でのパリサイ人の偽善(=独善)。表向きは神に従っているようで、実は他者を裁き排除する。彼らは「自分は義人だ」と思い込むため、悔い改めない。イスラム教でも、「自分だけが正しい」と思い込むことはタクアブル(傲慢) とされ、イブリース(悪魔)が堕落した原因そのものです。何か主張したい場合、自分の論拠を
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