COME TOGETHER。/田中宏輔
かかる瞬間の、さまざまな色のおれ。おれは、おれを着色した。さまざまな色に着色した。
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お父さんのぼくと、お母さんのぼくと、ぼくのぼくと、きょうのぼくは、三人のぼくがそろっての夕ご飯のぼくだった。さいしょに、スプーンのぼくを取り上げたのは、お父さんのぼくだった。きょうの夕ご飯のぼくはカレーライスのぼくだった。ジャガイモのぼく。お肉のぼく。玉葱のぼく。
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どうも、育った環境が違うと、思考様式も異なるようだ。ぼくは●●だから、そんな●●だったら、●●じゃないかと言っても、わからないらしい。きみのように、ぼくは、●●じゃないんだから、そんな●●だったら、
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