COME TOGETHER。/田中宏輔
らゆる方向である」とあった。
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ぼくが喜んで受け入れるのは、もちろん、後者の定義である。そう考えたほうが、ベクトルで演算子を導入したときに、整合性があるように思えるからだ。「方向は考えない」では、ロゴスはない、と言ってるようなものである。受け入れられない。それとも、ロゴスはないのだろうか。
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全方位的なロゴス。全方位的な自我。理想だ。それに近づくためにできることは、ただ一つ。これまで考えたこともないことを考えるのだ。それには、つねに新しい知識を吸収して、思考力の位置エネルギーを蓄え、いつでも思考力の運動エネルギーに変換できるように、ふだんから
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