COME TOGETHER。/田中宏輔
 
ら塾へ。40時間は寝てないと思う。目の下の隈が、自分の顔を見ていややと思わせる。52才にもなると、皮膚が頭蓋骨に、ぴったりとこびりついているかのように見える。醜い。30代のころのコロコロ太った自分の顔がいちばん好きだ。20代は、かわいすぎて好かん。


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ぼくは、棘皮を逆さに被ったハリネズミだ。いつも自分の肉を突き刺しながら生きている。自分を責めさいなむことで安心して生きているのだ。ぼくの親友にジミーちゃんという名前の友だちがいた。とても繊細な彼は、ひとの気持ちは平気で傷つけた。ぼくほどではないけど。


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これから、悲しみの湯につかる。30代の終わりに
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