詩論 /月乃 猫
の起源を証明していく
神話の叙事詩も 個人詩も
幾千年の人の歴史にあったその発生の存在理由は、
創世の世に
言葉によらず 伝えるべきものが存在した、
それを誰にも どうしてか表現すると
生きものたちに 涙をさそった
そこでは、
風の声で
絵をえがき
見えないもので、心をなぞり
夢の中の姿に
知らずに語りかける
荒れ地の夜空のした
星は道標るべの役をはたし
明日が怖ければ、
ともに歌をうたう
ウサギがたべられなければ、
ウサギに感謝され
種をまけば
花の喜びを知る
そんな世界
昔より
詩は けして人間の創造物ではないはず
庭の桑の木の綴る詩を 風がきいていました
それに私は気づきもせず、
あきらめに
文字の重力に耐えきれず 卑怯にも
文字に頼る 詩を
ありがたがって
書き残す
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