どうせ迷うなら命を賭けて/ホロウ・シカエルボク
、全速力で一直線に前方へと走り出した、もちろん何度も転んで、動けないほど腰とか脚をそこらに打ち付けたりしたけれど、ずっと繰り返していると次第にコツを掴んだ、いや、なにか、それまで動いたこともないアンテナが急に動き始めた感じで、はっきり見えなくても周囲にあるものをなんとなく把握することが出来た、これじゃまるでコウモリじゃないか、楽しくて思わず奇声を発してしまいそうになったけれど、流石にそれはマズいだろう、周囲に誰も見えないから誰も居ないということにはならない、このあたりは静かだから、近隣の(そんなものを見た記憶はなかったけれど)街の誰かに聞かれて通報されたりする恐れもある、だからそこだけは自由になり
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