帰る場所/唐草フウ
 



毎夏見る帰省のニュース
しっかりと時間を費やす 家族たち
それを眺めることが毎年の行事

思い出すのは病室の洗面台や
トラバーチン模様の天井
となりの家から夕ご飯の匂い
てんてんと置き手紙
帰る家はもうない 
時はわたしを残して超えてしまった

ほうずきや千日紅などの花を供え
しゃがんで手を合わす
遥か上空にエアプレイン
皆が手を振ってたらいいな
わたしが家に帰るまで あと少し




(じぶん自身が誰かの帰る場所になれるだろうか)


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