しりとり詩Version2.0/佐々宝砂
 
ゃしゃりでるやつをぶったぎれ 

切れぎれになってしまう
マウイから吹く風に
是にあれ非にあれ
荒れた唇はなつかしみ
しみとおる冷たさが
探していたものとは違うと
うといわたしでも気付く
づくづくと崩れゆくわたし
確かめることができない記憶
臆することのなかったあのひと
ひとはひとをとどめ得ない
ナイフで心臓をえぐり取って
手の中に収めておかない限り
ぎりぎりと時計は動く
ごくわずかな望みも
身も蓋もない嘲笑につつまれ

まれびとよ
とよみわたる波音の果て遠い遠い南から
からかいの声浴びてくるひとよ
とよあしはらのちいおあきのみずほの
ほのくらい土にその足を置け
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