布団の上で追想/
花野誉
命を預かる重荷が常に付き纏うこと。
今は屋根の下、地面のあるところで働けることが、とにかく有難い。
天候に脅かされる仕事をされる方々には申し訳ないが、今はその心配を強くしなくていい、この心の楽さ。
夫やお客様の死亡確率が高いような、危険な仕事から離れられたことが、本当に嬉しい。
まだ心配事は色々あるが、夫が安心し、よく笑うようになったことも、本当に嬉しい。
動けず布団の上、今の暮らしへの感謝を噛み締めている。
戻る
編
削
Point
(13)