布団の上で追想/花野誉
なった。
早朝、船を送り出した帰りに、大きな神社に詣るのが日課になった。
御賽銭はかなりの額になったと思う(笑)
でも、この仕事に就いたことで、出逢うはずのなかった人達と出逢えたり、数え切れない沢山の人達に助けられた。
見返りなく助けてくださる方がとても多く、人に生かされているということを強く実感した仕事だった。
でも、もう二度とやりたくない。
夏冬の船の清掃のキツさ。
船を引っ張ったり重いものを運びたおし、肩も腰も壊し、妙な病気にもなる(夫婦共に)。
悪天候からの不安。
夫に振り回される色々。
海の事情で変わる客の増減。
借金がかさみまくる。
そして一番は、人命を
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