善く書けている/杉原詠二(黒髪)
 
詩句が翼を広げる
詩の響きは
蝶の羽ばたきの音
詩のタッチは
鳥の羽のような軽さ
永遠を閉じ込めたダイヤモンド
悲しみを癒すために
詩を読みましょう
寝ても覚めても夢を見ている
眼に映る全てが詩を語っている
詩は夢であり
夢が詩なのですよ
夢をもたらすのが言葉
言葉が変えていく現実
子守歌の節々のような詩を聞くことで
どんな人も
ぐっすり眠れますように
夜は長くはない
朝から日が沈むまではとても長い
詩は長き夜を
夢の時間に変えてくれるのです
夢の時間
空のオルゴールがまわり続けています

祈りと涙と贖いと
苦しみと悲しみと喜びと
対置された詩句たちの歌声が
永遠相の宙の中に吸い込まれていき
星はいよいよ輝きを増します
歌われるべき歌が歌われ
詠まれるべき詩が詠まれ続ける
誰かが始めた祈りの遊び
弧を描いて星が降る
泣きながら愛を叫んだ人は
悲しみのオーロラを従えて
今日もけなげにおほしさまを守っている
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