真眼/杉原詠二(黒髪)
形になっている
宇宙の孤独の中で
地球は己と生命の心を借りて
長き青色の夢を見続けてきたのだ
四季折々を共有する祖国
永遠の青のキャンバスに
たくさんの色の絵を描いた
その根底にあるのは人間の心
赤い血の色を持った
愛の心に他ならない
乙女の桃色に染まった頬
夢に色を付けるならば
それは乙女の色がいいだろう
たおやめを慕うますらおは
青き心持ちて乙女に対する
青き地球の上にて
泥の中に桃色の蓮の花が開いていく
一切苦の消滅に
空は光り
虫は鳴き
地は揺れることを忘れ
幸福の時代が訪れる
幸せは透明な詩情に乗ってやってくる
大
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