蝉/
秋葉竹
るほどの優しさを
この身に浴びている僕の
少しひねくれた生き様の
果てがあの姿なのかもしれない
なんて勝手に想いながら
その蝉を土の中に帰してやろうかと
身を屈め指で触れると
大きな声で鳴きながら
青空高く飛び立って行った
あはは、
あれば僕だ
まさしく、僕だ
だから僕は
もうみえなくなった青空の高みを
太陽の光に負けないように
いつまでも晴れ晴れとみあげつづけていた
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