『HUNTER×HUNTER』試論/杉原詠二(黒髪)
ければならないのだ。錯綜する矛盾に、自己が悩まずに個性のみを戦わせる、仁義なき戦いの結果として、何が最後に残るのか。誰がどの程度の改心を見せるのか。怒りを抑える方法を、皆が作り出すことが出来るのか。まだあまりに人類は幼く、科学技術の使用方法に、やっと歯止めがかかってきたところだ。これから、難局を乗り切っていかなければならない。自己と他者のすべての幸福のために。気が狂った犠牲者は、漫画の中だけで十分だ。鬼ヶ島の鬼は悪さをしたから退治された。エロスとバイオレンスにも意味は強いだろう。自らを守り、人を守るために。自分の過去に執着する結果が、あまりにも愚かな自己顕示であってはいけないのだ。誰かが気づく。皆が気づく。そして、方法は必ずある。
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