譬喩とわたくし/降墨睨白島(furusumi geihakutou)
 
TV曰く今日は譬喩がよく降る
TV曰く手持ち扇風機爆発
小さな自爆テロで消えた命が
1ダースらしい
パラパラ
譬喩が降り始めた
私は傘をさす
雑音
心地よいと思える
これほど降り頻る譬喩
数分後地面に
詩が出来ていた
譬喩だらけの
美しくない
わたくし
傘を捨てて
譬喩にまみれて
パラパラ
パラパラ
雨音だけの町に
小さく消えてゆく
わたくし
残るのは傘

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