こんなにも遠くの土地の バスの停留所で 傘をさしていた ゆめのなか ノイズのなかの風景の 砕けたアスファルトから 視える空は 雨粒に浸透して まるで 落ち窪んだ眼窩から 引き抜いたピアスを絡めとる モニターの 砂嵐にさらわれる 低体温症の 蒼い室内に 部屋干しされたシャツの 揺れる 破かれたブラウン管と 壊れたソファに まるで白いままの 猫の骨と 転がる寝息の 吹きつけられた 麻布に横たわる 窓辺には、 いまでも 小さく発光する 空の青い酒瓶は そこに 置かれたまま