7/20/山人
 



黎明の時間がひろがっていた

こともなげに日々は過ぎていき
わたしはしおれた案山子のように日に打ち照らされている

かいつまんで話をすることもない
唇は固く閉じられていて、それ以上のこともそれ以下のことも無くて
明らかに私は蚊帳の外にいることで安堵した

夏はせっせと繰り出して、高温をばらまいている
骨の髄の中のつぶやきが私の背中でささやく

こともなげに、見ず知らずの生きざまを紙面にさらし
不思議な生き物が一体
夏の中に目をしばたかせていた
戻る   Point(8)