White Surface Time/
ひだかたけし
君は確かにあの時、
大根とアジの開きその他を買って坂道の頂きに至り、
今夜は細やかな晩餐よと何故か言ったんだ
掬い上げだ僕の腕に身を委ね切り
微笑みながら 優しく包み込む声で
薄っすら紅に染まった白雲見上げ
涼やかになった風に揺らぐ風鈴の如き
終わらない声音の確かな意味響かせて
僕の知らない最期のお別れのために
暮れなずむ夏の大空を頂きから仰ぎ見ながら
今夜は細やかな晩餐になるんだよと風鈴の声音響かせて
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