白い紙の中の黒い闇/多賀良ヒカル
白い紙の上に?
何も書かれていないのに?
私の声が
吸い込まれていく
そこには
始まりも終わりもない?
ただ沈黙だけが広がっている
光のような白に見えて?
その内側には?誰にも触れられない
黒い闇が眠っている
書こうとするたびに
言葉はかすれ?
ペン先は底なしの沈黙に呑まれる
私は知ってしまった?
この紙は空っぽではない?
私の知らない記憶と
忘れられた叫びに?
すでに満ちているということを
何も書かないという恐怖?
書いてしまうという絶望?
そのはざまで私は凍えている
だけど それでも?この白の中に?
私の黒を落とさずにはいられない
祈りか、呪いか、名もない声か?
この紙はすべてを
ただ受け入れる?
真っ白な顔で 黙って
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