結晶は胎児の様に血塗れの臓腑から摘み上げられる/ホロウ・シカエルボク
る、その認識はもうすでに始まっていた、透明な存在を気取って殺しやすい誰かを手に掛けようなんてことは少しも考えなかったけれど、自分がどんな風に死ぬのかというようなことは時々考えていた気がする、言ったろ、世界の外に居たんだ、俺の意識が自分以外のものに向かうことはあまり無い、興味も殺意を受け止めるのは全部自分自身さ、その時に朧げに掴んだ真実のようなものが、いまこの場所に俺を連れて来ている、たいした認識じゃない、この違和感そのもののような自分のままで生き続けるべきなのだ、言葉にするとしたらそんな感じだ、決意とかそういうものじゃない、おそらくそれを決めたのは俺じゃない、俺はそれを認識して、ああやっぱりねと思
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