水蜜/凪目
 
冷蔵庫で
薄い果肉を分離して
皮と不在を分かち合う

君は言う
唇は 言葉によってつけられた傷跡と
塗り薬や お守りがあるといい
ひどいどしゃ降りに閉じた窓を
少しひらくとき
勇気をくれる
口でなぞれる形の

もう 灯りを落として
今夜は窓をあけて眠る
雨と桃とが
世界をゆっくり
眺めていられるように
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