梅雨時の自称詩人/花形新次
ただでさえジメジメして
鬱陶しいのに
この時期の自称詩人は
本当に止めてほしい
白癬菌みたいに
足の指の間やタマキンの横にでも
住み着かれて
股の付け根で
自称詩を夜ごと唱えられたら
恐らく気が狂って
自称詩人ごと焼身自殺すると思う
自称詩人は塩に弱いと聞いたことがある
だから自称詩人は真夏のシーサイドには
近づかないらしい
(第一真夏のシーサイドほど
自称詩人に似合わないものはない)
体中に塩を振りかけることが
自称詩人から身を守るのに有効な手段だと信じて
帰宅時に妻に塩を振り掛けてもらっている
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