お年頃の婚姻/ひだかたけし
気力萎えて 夜の
横顔も暗闇も見えず
風に誘われ風を誘い
揺れて揺らし
ただ微笑みながら
虚脱を眼差す濃密な瞳 、
慄然と立ち上がる
時間を串刺しにし
筋骨隆々と
のた打ち廻る
想い弓鳴り
ゆんゆんゆん
ゆっくりゆくり
渦巻く如く身をころ返す
この脳髄を打つ感触確かに
人の中に生きる普きもの 、
夜明け前の靄戯れに舞い立つ無数の天使
彼ら彼女らに懇願され神々の脳髄に降り
気力萎えて 夜に
互いの顔を見据えず
ただ人と人 、
ローリングする思考意志に身を委ね
濃密な瞳一点へと束ねられ
神々の裁決を待つ、夜陰未満
落下し続ける奈落の渦中、
セブンイレブンの緑の灯り
欺瞞悲惨のこの世を照らし 、
金融資本の魅惑的な燈火とし 只ひたすら
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