写真立て/mizunomadoka
ひとつの、無限の神様たちがクジを曳いて
行き先を割り当てるの
きみはジェーン、あなたはトッド、あの子はエーゲ海、絨毯、松の実、石の影
人類最後の嘘って何だと思う?
命? 神様? うーん、ちょっと待って
アンジーは小指を舐めて空に翳す
「風ね」
本を閉じると
なにか新しい予感があった
胸の奥。頭の後ろ。指の先。無防備な視線
兄の結婚式。教会の影に隠れて母と神父がキスしてた
世界はなんて美しいの。そう思った
Sunday service
私達が運んでいるのは生命ではなく希望なのです
「コントラスト」
五年後に父は一足先に自由になった
あなたがアンジーね。あの人に目が似てる
父の会社の方ですか?
いいえ、わたしはジェーン
「トッドは古い知り合いなの」
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