夜の海岸通り/秋葉竹
言葉に意味はないのだと
思い知った雨の夜の海岸通り
ホワイトなカッターシャツを濡らし
泣いてもわからないくらいに
雨をかぶった
言葉に意味はないのだと
それを本当かと問うためには
失いたくないものが多過ぎたのかもしれない
今は
ほとんど裸状態だから大丈夫だ
ってホントは
なにが大丈夫なんだか知らないけどね
綺麗な言葉は
ちょっとダメだな
やっぱ言葉には
悲しみや暗さが根を張ってないと
ちょっと黄色さを感じないんだ
言葉に意味はないのだと
思い知った雨の夜の海岸通り
でも夜だから大丈夫だと想ったのも本当で
言葉に意味はないのと同様に
夜には
全てを覆い隠せるやさしさがあるからね
なんて強弁云いつのるとき
黄色いときが
過ぎゆく定めと
云った心の闇で泣く
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