トクベツなひと/秋葉竹
 

街をゆく人がピエロにみえる鬼女


夢を消す陽光が焼く死へむかう


わからない月の怯えが朝未明(あさまだき)


悪魔とか魔女泣く世界さみしげで


羽衣の揺れる松風堕ちる恋


油断したあの夜(よ)の声で堕ちた恋


聖地にはホントの百合の恋が咲く


あの海で初めて拾った貝に触れ


終わらないトクベツな恋永遠に


ただそれで幸せなのかは月に聴け


蟻たちに射す月光もやさしげで


夢よりも大事な恋に架かれ虹


棄て棄てて手を繋ぎたい菫草(すみれそう)



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