外の外/秋葉竹
 

 

声割れたカラオケ終わりの朝帰り


朝の月みたらなんだか涙目で


失恋を一瞬忘れた涼し風


わからずに息を吸い込む野の匂い


タイトルを《朝の真水》と名づけたい


ひとりでも落ちてる恋は探さない


枯れ木より静かな夢を胸に秘め


赤いひがほおを染めるし風よ吹け


舌打ちを我慢しなくていい朝だ


いまよりも清い朝などないのかも


ひとりでも孤独を知らないカラス鳴く


夜の灯をわすれたころに罪を知る


棄て棄てて旅に出たいなそとのそと








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