虫たちのざわめき/栗栖真理亜
 
星は堕ちた
泥濘のなかへ
月は嘲笑った
雲間に紛れて

冷たく光る涙は雨となって地上を濡らし
湿った風が哀しみを運ぶ
曇った煙を燻らせて

ざわめく影が暗く啼く頃
湿り気帯びた生暖かい風は
どこへ運ばれてゆくのだろうか
地中に眠る虫達の安らかな寝息を聞きながら
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