書かない人のはじめかた/飯沼ふるい
して、それらを芸術っぽく見せるのはもうやめます。
その時間があれば皿洗いと部屋の掃除します。
承認欲求のために自家中毒を起こすような剣呑な真似はもうしません。
その時間があれば子どもたちと遊びます。
結婚は人生の墓場で大いに結構。
俗物としても、そこから抜け出そうという努力のうえでも、詩を続けて疲れるより、心身ともに健康な今のほうがいい。
だから今後もし、なにごとか書きたくなっても
「こどもが大きくなったな」とか、
「カントリーマアム、今となってはむしろこのサイズで良いな」とか、
「おしっこ泡立ってる気がするな」とか、
そういう身の丈にあったことについて、ふわっとした
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