温もり/栗栖真理亜
 
背中に残る仄かな体温
お祖母ちゃんが私たちと共にいた証

微かに唇が動き息もしているように思えて
思わず左耳を口に近付けるけれど
「もう息はしてないよ」
職員のひとことで錯覚だと気付く

有り難う
お祖父ちゃんによろしくね
仲の良かったふたり
寄り添うように逝ってしまったけれど
お祖母ちゃんは私にとってかけがえのない存在

幼い頃泣きながらお祖母ちゃんの布団に潜り込んだ
優しい温もりを私は忘れない
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