あの夜の何処かで/ホロウ・シカエルボク
 
が蠢き続けていた、それが自分にとって心地いものなのか不快なものなのかすら判別出来ないほどの細やかな蠢きだった、でもそれは確実にそこにあった、確実に俺の脳内に根を張っていた、もう少し育てば何かしらの言葉か映像になるだろうか…そういった状況にはもう何年も前から慣れていた、自分の身体だからといってすべてがコントロール出来るわけじゃない、それを理解していなければ、人間は万物の王だなんて、数十年も前には定説だった思考に陥るのが、オチだ、スポーツドリンクを飲んでいた、他に飲むものが思いつかなかったからだ、時々そういう日がある、甘味も苦味も酸味も欲しくない、そんな日、そんな日はスポーツドリングを飲む、少なくとも
[次のページ]
戻る   Point(1)