告白の速度/
森 真察人
心拍が垂直に水を跳ばし
滑らかな曲線は鏡に切れ
凸面は新しく頭を下にし
脚を月に遠い空にうつし
それは鳥の群の端(はし)をゆれ
教会へひとつ羽を落とし
埃をつつむ結晶に打たせ
運動をまつ気流に殴らせ
哀しく毛羽立つ胞子とし
それは誰の頬にもふれず
隙間に至る――神さまは
木目の柄の鉄扉の隙間に
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