詩想、わたしの意志として/ひだかたけし
 
私の肉身の
今を生き生きと
筋肉の盛り上がりいき
けれども
着実に滅びに向かい、
私の魂の
今に思考し感じ行為し
未来を切り開きつつ
けれども
眠り入れば意識失い、

何一つ保証も確保もされ得ない
この世のこの現に今の私の在りて

自分とは自分にとって過去記憶の集積に過ぎなく、
ならば、わたしにとって 〉私〈 とは何者なのか?

記憶の思い出の過去へと
どんどんどんどん遡行し続け
思い出の記憶を突き破る迄に至れば

何か何者かがゆっくりゆくりと現れ出て

 こんもり広がる濃密緑の野原を限る黒き山影、
 果てしなく揺蕩う大洋の水の濃紺の揺らぎ、

これこれらもまた早くも遠い過去となり
自らの意識の内に現れ出る幻影の向こう

過去の過去が時の矢となり感情を揺さぶり意識のわたしに突き刺さる、

突き刺さり続け今のわたしは新たな私を未来未知へと形造って生く、

今に担う肉身の着実に滅びに向かいながら





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