信州へ/花野誉
 

車窓から見える白樺の森

希望の街を後にして

着いたのは無人駅

ボストンバッグを肩にかついで

見渡す景色に唖然

世界でたった一人になったかのよう

同時に

心がまっさらになったかのよう

初めて

心が晴れたような心地

勇気と気力と体力

それだけ持って着いた土地

ほぼ行方不明になった私





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