光のなかにいてよね/らりるれろ。
君は捌かれてゆく
綺麗に身をほぐされてゆく
おろしのような雪に
赤い魂が沈んで
旨くなって欲しいと願う夜に
この世のために何ができるか、ではなく
この世は何のためにあるか、であると
スーパーボールの軌跡が全てだと
鋭い骨の最後の抵抗は
天使の唇で蕩けた
いつでも口噤み叫んでいたと
また無言の瞳で君の母は云う
雑居ビルの木漏れ日は冷え切った
病める汝よ
光のなかにいてよね
遠く遠く聞こえる汽笛
僕の部屋は水面まで持ち上がり
轢かれた黒猫の身を捌き出す
君のこの世すら僕は知り得なかった
燦々と注がれる矢に身震いし
ぽっかりと口を開け待つことを恥じた
羽は元々なかった
おろし金のような雨に
暗い希望が映って
微塵になって欲しいと願う夜
こんな時は訳もなく腹が減り
光のなかへと餌になりに行く
君はただそう生きて死んだだけ
君はただそう生きて死んだだけ
ハニツマルニブイナマリノヒキニクトシテ
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