幸福論/
印あかり
うとうとしているきみの
すべすべのお腹を楽しむ
夏は火照った掌にひんやりして
冬は冷え切った指先をあたためる
鼻を近づけると
例えようのない
いい匂いがして
思わずほおずり
辛抱たまらなくなって
ちう と口づけて
辛抱たまらなくなって
思わず歯を立てると
うとうとしていたきみが
びっくりして目を開けて
「こら」って
ねえ ねえ
わたしきみが死んだら悲しくて生きていかれないよ
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