十代のタカシ君/
花野誉
無口で 少し悪い風で
カスミ草と赤い花の花束をくれた
黙って逆方向の家まで送ってくれた
最初から最後まで
ずっとそう
見た目と心はちがう
この上なく純粋で
ひたむきでひたすらで
夏祭りの帰り道
瞼に触れる長い睫毛
私たちは
どんな縁だったのかな
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