目撃者/
 
隠された事柄は
ある日ひょんなことから
氷山の一角として人目に晒される
ぼくは目撃者となった
それを黙殺すれば
棺桶まで持っていくことになるかもしれない
一時の面倒臭さを優先したら
一生その影に口を塞がれる
そんな苦しいことは嫌だ
だからぼくは声をあげた
ひとりじゃ無理だから人を頼った
すると根深い隠蔽が
芋蔓式に引き摺り出されて
予想もできなかったことが露呈した
ぼくは震えた
隠蔽を目論んだ人からの復讐を恐れた
まるでぼくが悪かったかのように吹聴して
関係ない人を巻き込む
目論む人はひとりでも力が強かった
ひとり対多勢で力は拮抗した
詩に託なる
それでも頼れるものを全部頼って
決して目は逸らさずに生きる
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